子ども講座 ほとけさまを描く
昨日は勝央美術文学館での子ども講座4回目。
今回はほとけさまを墨で描くという内容。
以前、仏像を見ながら描かせる活動をネットで拝見したことがあり(コッコアトリエさんでの展示の様子)、こういう展開もやってみたいとずっと思っていたので、今期の講座の中でとりあげることにしました。制作時間が少ないこと、対象年齢が低いことからサイズは模作紙の半分にして。後付ではあるものの、勝央町には地域で有名な石仏「油地蔵」や、「長尾山石仏の道」もあり、地域性にも則した内容でもあります。
(写真はWEBサイト『津山瓦版』より)
壁に大きくポスター印刷した様々な仏像写真を貼って(勝央の石仏も混ぜておきます)、
仲間だと思う仏様はどれ?
何を持っている?
乗り物に乗っているのは?
服装は?・・・などの質問をします。
宗教的な背景や歴史は混乱するので最低限に抑え、造形要素から自分で想像するという展開にしました。
薬師如来像が薬を持っていることなどを例にあげ、「人々の願いが形になっている」ことを話したあと、「壁に貼ってある沢山の仏様に、新しい仲間を増やしましょう。どんな仏様がいいかな」と呼びかけ、制作開始。
墨汁は紙皿に出し、箱型トレイに入れたものを配布。
1/2サイズの模造紙にいきなり描き始めます。
ここが今回の難所だったのですが、想像以上に思い切りが良く、どんどん制作が進みました。
もちろん、制作までに時間が掛かる子どももいます。それでも終了までには描くことができました。
今回は途中から水の入った紙皿も配布。筆の中に残っていた墨が良い具合に作用し、薄墨の効果で調子をつけていくことができます。濃さを意識的にコントロールできないのですが、年少児の活動では有効ではないかと思います。
(上:墨で描いたところ/下:薄墨で調子をつけたもの。作品に少し奥行きが出てきます)
「みんなを元気にしてくれるほとけさま」
制作時間は約25分。
筆のスピードも描き方もそれぞれですが、鑑賞の時間では作者に自分のほとけさまについて解説してもらいました。
「どこへでもかけつけてくれて、食べ物をくれるほとけさま」
「石仏をたくさん」
壁の資料写真を元に制作。ゆっくり丁寧に進めました。余白も素敵。
「たくさんのほとけさまと川」(壁に貼ってある写真を元に制作)
「スカートに雨の模様がついていて、リボンをくれるほとけさま」*ベースになっているのは阿弥陀如来像の写真です。
講座のあと、「これは私が描いた仏様」と資料写真を指差す参加者が。こういうことを切欠に親しみをもって仏像彫刻に接することができるだけでも財産ではないかなと思います。
また、「墨は文字を書くだけじゃないんですね」との保護者の方からの言葉もいただきました。
子どもの想像力と思い切りの良さに助けられた今回の講座でした。
次回は最終回。
石膏レリーフの回です。どういう展開になるのか、楽しみです。